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2022年度調剤報酬改定において「服薬情報等提供料3」が新設されました。
この「服薬情報等提供料3」は、これまで医療機関が行っていた入院予定患者の持参薬の確認を薬局が行うことを評価するもので、医療機関の負担の分散や病院の働き方改革を薬局が支援する内容とも言えます。今後、薬局と医療機関の連携はより重要になってくると思われます。


出典:令和4年3月4日版「令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤)」(厚生労働省)


●服薬情報等提供料3*


医療機関からの求めに応じて、薬局において入院予定の患者の持参薬の整理を行うとともに、 当該患者の服用薬に関する情報等を一元的に把握し、医療機関に文書により提供した場合の評価(3カ月に1回、50点)*敷地内薬局から敷地内医療機関への情報提供は算定不可

 

 

●入院前の患者の服薬状況等に係る情報提供書(別紙様式1-2)

厚生労働省が提示する「入院前の患者の服薬状況等に係る情報提供書」(服薬情報等提供料3算定の様式)に以下の項目が記載されています。
・患者情報
・特記事項
・受診中の医療機関、診療科
・服用中の薬剤一覧(用法用量、服用開始時期、一包化や粉砕などの処方状態、入院時持参予定日数)
・医師の指示による入院前中止薬と自己調節している薬
・患者の服薬状況(服薬管理者、留意点、退院時の処方の際にお願いしたいこと)
・併用薬剤情報(OTC、サプリメントを含む)
「特記事項」において入院予定患者の手術に関連した薬剤情報の提供、「医師の指示による入院前中止薬」において術前休薬が守られるよう適切な支援が求められています。



●日本医療機能評価機構の事例


日本医療機能評価機構「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」の共有すべき事例において「手術前の服薬休止」(2022年No.5事例3)を公表し、薬局における取り組みを紹介しています。
・手術・検査の前後に服薬の休止を検討する必要がある薬剤のリストアップ
・患者が手術前に服薬の休止が必要な薬剤を服用している場合は手術の予定がないか確認

日本医療機能評価機構「医療事故情報収集等事業」の医療安全情報において「薬剤の中止の遅れによる手術・検査の延期」(2019年4月No.149)を公表し、医療機関における取り組みを紹介しています。
・手術・検査の際に休薬する薬剤の一覧表に成分名を記載し院内で周知する
・手術・検査を計画した際、患者の内服薬を把握し、中止する薬剤がないか確認する

●関連するデータベースのご紹介

処置行為と薬品チェック用データ
手術の際に注意が必要な薬剤を確認できます。術前に服薬の休止を検討すべき薬剤か確認したり、中止薬の再開時期を確認することで、手術による有害事象の回避、予定した手術の延期を回避することができます。

検査(CTとMRI)時に注意が必要な医薬品データ
CTやMRI検査の際に注意が必要な薬剤を確認できます。検査前に服薬の休止を検討すべき薬剤か確認することで、検査による有害事象の回避に活用できます。

●関連サイト

厚生労働省ホームページ
公益財団法人日本医療機能評価機構ホームページ


2022年